改めて、読み方を思い出そう
わたし、本の読み方を忘れそうになったことがあります。
サイトの利用規約、機械の取扱説明書、契約書は普通に読んでいても分かりにくいものですが、
前まで苦にせず読めた小説、それも児童向けにかかれた児童文学すら、
「どんな風に読めばよかったんだっけ」となってしまう事態。
非常にまずい。
本の読み方の本はいくつか読んできましたが、
この本は文章を読む楽しさを思い出させてくれました。
今回はまた難しい本に手を出したくなる新書『文章は「形」から読む』をご紹介します。
『文章は「形」から読む』紹介
「文章の形」について語られている本です。
文章の形とは、言い回し・余白・改行などといった「目で見てわかる」文字の要素のこと。
「なぜこの文体で、このレイアウトなんだろう」
と疑問に思うことから、書き手の狙い・思いを想像することによって読むことがぐっと楽になります。
文章を書こうとしてうまくいかないときは、中身と入れ物がかみ合っていないのかもしれません。
阿部公彦.文章は「形」から読む ことばの魔術と出会うために.集英社.2024,p.
この本は章末に「まとめ」があり、章全体を箇条書きで簡単に振り返る項目があります。
また、「らくがき式」といって、本文に線を引くことがおすすめされています。
「らくがき式」の手本もあります。
「わかりやすさ」が工夫されているといった印象です。
学習指導要領や契約書など難しい文章も例文として登場しますが、
「なぜそのような形になっているか」が丁寧に解説されているので心配無用。
新書に慣れていない人の一歩としてもおすすめです。