今回はエッセイ『本・子ども・絵本』を紹介します。
著者の中川李枝子先生は、絵本『ぐりとぐら』シリーズ、児童書『いやいやえん』、
となりのトトロOP『さんぽ』を作った方です。
挿絵は、中川先生の妹であり、中川先生の絵本の絵を多く担当された山脇百合子先生、
解説は作家の小川洋子先生です。
『本・子ども・絵本』はこんな本
子どものことが第一。子どもを見守る眼差しあふれる名エッセイ
『本・子ども・絵本』は、絵本作家中川李枝子先生のエッセイです。
タイトル通り、エッセイの中身は「本」「子ども」「絵本」が題材になっていて、
中川李枝子先生は本の中で繰り返し、その三点セットの大切さを語られています。
たいせつなことは、本・子ども・絵本の三点セット
みどり保育園に勤務していたころの、子どもたちとのふれあいの思い出。
親子で絵本とどうかかわるべきか、どのような絵本を与えるべきか、絵本、本に対する考え。
エッセイを読めば、そこには
思い出の本・愛すべき子どもたち・信頼のおける絵本に対する優しいまなざしがあります。
「ぐりとぐら」など中川先生の絵本の世界観のような、あたたかなエッセイです。
中川先生が勤務されていたみどり保育園はすでに閉園してしまっていましたが、
どんな場所だったのか、どんなに子どもたちにとって安心できる素敵な場所だったのか、
読むだけで想像できてしまいます。
絵本作家による子どもに対する絶対的愛
このエッセイを読んだあとは、
こんなに子どもをだいじに思う大人ばかりなら、子どもたちも安心して暮らせるのに
と思う一方で、子どもに対してこんな大人でありたいな、と思うようになります。
幼児期は、心を育てる時代ともいわれます。それだけに、感じる力を引き起こす精神の糧をじゅうぶんに与えなくてはと思います。
中川李枝子.本・子ども・絵本.文藝春秋.2018,p.186-187
小川洋子先生も解説で語られているように、
中川李枝子先生の前ではどんな子どもも、無条件で愛すべき存在になるのです。
まとめ
以上、『本・子ども・絵本』を紹介しました。
子育て中の親、保育士など日ごろ何らかの形で子どもと接している人たちはもちろん、
普段子どもと関りのない人まで、読んでほしい一冊です。
本記事のまとめ
・『本・子ども・絵本』は、中川李枝子先生のエッセイ
・本・子ども・絵本に関して、保育士・絵本作家の目線から語る
・子どもに対する絶対的愛。子どもは、無条件に肯定される存在
『本・子ども・絵本』の中で岩波少年文庫の本がいくつか紹介されています。
こちらの記事でも『本・子ども・絵本』に登場した岩波少年文庫の本をいくつかとりあげているので、気になった方は覗いてみてください。