事故、災害、戦争、貧困、犯罪、差別…
この社会は、今この瞬間も不安がはびこっています。
何が起こるか分からない不安でいっぱいになり、眠れなくなる夜もあります。
辛くても、どうにかして前を向かなくてはいけなくなったとき、
わたしは尾畠春夫さんのことを思い出し、この本を開きます。
今回紹介するのは『お天道様は見てる 尾畠春夫のことば』という本です。
数年前(2018年)「スーパーボランティア」と呼ばれ話題になった尾畠春夫さんを、
フリーライターの白石あづささんが追ったルポになっています。
こんな本
尾畠春夫さんについて
2018年、山口県で2歳の男の子が行方不明になった事件がありました。
捜索から四日目で、発見者により男の子は発見されます。
男の子は無事に、親御さんのところに帰っていきました。
その男の子の発見者が、尾畠春夫さんです。
尾畠さんの様子、言葉、態度は「スーパーボランティア」の異名と共に
ニュースで大きく取り上げられ、一躍時の人になりました。
飾らない心、他者を思いやること
この本は、フリーライター白石あづささんが尾畠さんを、
数年間(2018~2021)追ったルポになります。
白石さんが尾畠さんにインタビューをするために家を訪れるところから始まり、
尾畠さんのボランティア人生の原点となる由布岳まで行くことになります。
直接お話を伺ったルポだから、
この本にしか書かれていないこともたくさんあるの!
写真もいっぱい掲載されてるよ
白石さんの取材を通じて、尾畠さんの生の声が直接聞けるような読書体験ができます。
幼少期のこと、学生時代のこと、人生について…
この本で尾畠さんはいろいろなことをわたしたちに教えてくれます。
人間ちゅう動物は、誰かのちょこっとした助言とか少しの優しさで変われる動物じゃねえかな。
白石あづさ.お天道様は見てる 尾畠春夫のことば.文藝春秋.2021,p.250
自然のものを大切にすること。米一粒まで食べること。正直に生きること。
子は親のズルさも見抜いているということ。前向きに生きること、などなど…
SDGsが一般的になる前から、
尾畠さんは「周りの人のため、自然環境のため」を理解し、積極的に実践していたわけです。
飾らないが人柄、心から人のために尽くしたいという感情が前面に出ています。
他人のために全力を尽くすことについて考えさせられます。
まとめ
本記事のまとめ
・『お天道様は見てる 尾畠春夫のことば』は、尾畠さんについてのルポ
・写真と実際の言葉が掲載。ボランティアの原動力がわかる
・胸を打つ言葉がたくさん載っている