読書が苦手でも読みやすい、文庫で読めるおすすめエッセイ本11冊

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はじめに:活字への入り口にはエッセイがおすすめ

実は「いきなり小説から」は挫折しやすい

本を何か読んでみたい、あるいはしばらく本から離れていたけど読みなおしたいと思い、
小説に手を出して、内容がよくわからなくて挫折する…なんてことありませんでしたか?

わたしの経験上、いきなりフィクションから読み始めるのは、挫折しやすいです。

なぜなら、フィクションは現実とは違う約束事で動いている世界だから。
限りなく現実に近い舞台設定であってもそうです。

固有名詞、登場人物の名前、ファンタジーであればエルフや魔法など作品独特の用語が出てきたり、
覚えることが多く、意外なことに、挫折してしまう原因になります。

エッセイは読書の入門・再入門におすすめ

一方で、エッセイは作者の日常、現実社会を題材に書いている本なので
人名を覚えたり固有名詞を覚えたりすることはほとんどなく、本に入りやすいです。

この記事では、当ブログで紹介している本を中心に、何冊かおすすめのエッセイを紹介します。
電車や外出先で手軽に本を読む体験をしてみてください。

おすすめエッセイ

若林正恭

人気漫才コンビ・オードリーのツッコミ担当、若林正恭さんによるエッセイです。
人見知りで、自分と世間の壁をなんとなく感じる人は絶対に共感できます。私がそうでした。

現在三冊出ていますが、あまりにも自分に刺さりすぎて三冊とも買って読みました。

角川文庫『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』

M-1決勝に出場して以来、これまでの生活と一変して、社会人一年目を過ごしたこと。
社会人二年目になり、人生や日常のささいなことについて、考えたことなどのエッセイです。

文春文庫『ナナメの夕暮れ』

人見知り大学から数年後、自身の成長を語る

『社会人大学人見知り学部 卒業見込』から年月が経ち、周りを受け入れるようになった心境の変化、
相変わらず気になることが多いことなどをつづったエッセイです。

文春文庫『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』

競争社会から離れた世界を見るために、単身でキューバなど各国を旅した旅行記エッセイです。
旅行の風景などの写真もカラーつきで掲載。

小川洋子

博士の愛した数式」「ミーナの行進」「ことり」など
数々の名作を世に送り出し、海外からも評価の高い小説家・小川洋子先生によるエッセイです。

小川洋子先生は私が大好きな作家で、小説のすばらしさは言うまでもないのですが、
エッセイも名エッセイばかりです。

どうしてこんなに世界を見る目が素敵なんだろうと思わずにはいられません。
普段日常で光を当てられないものや人に対して、そっと肯定してくれるような、
しかし強制的に光を当てるのではなく、日陰のほうに寄り添ってくれるような、そんなエッセイです。

新潮文庫『博士の本棚』

名作が生まれた源流をたどる本にまつわるエッセイ

『博士の愛した数式』にまつわる話や、
小川洋子先生が影響を受けた本、好きな本についてのエッセイです。

文春文庫『とにかく散歩いたしましょう』

愛犬のこと、執筆のこと…日常生活で小説家が考えていること

小川洋子先生が飼われていた愛犬ラブとの散歩の話など、
こちらは日常を切り取ったエッセイです。

人気タレント・漫画家が書いたエッセイ(イモトアヤコ・大泉洋・星野源・さくらももこ)

若林正恭さんのほかに、メディアなどで活躍する方々によるエッセイを紹介します。

芸人・歌手などのタレントの方によるエッセイは、普段のしゃべりを想像しやすくて
それが親しみやすさ・読みやすさにつながります。

イモトアヤコ 文春文庫『棚からつぶ貝』

「珍獣ハンターイモト」のイモトアヤコさんの、ロケ裏話や日常など

『世界の果てまでイッテQ!』で体を張ったロケをする芸人・イモトアヤコさんのエッセイです。
周りの芸能人にまつわる話や、結婚生活・育児にについて朗らかに話します。

大泉洋 角川文庫『大泉エッセイ 僕が綴った16年』

大泉洋さんの軌跡をイラストつきで。書き下ろしも大量

大泉洋さんの1997年からの18年間が詰まったエッセイです。
独特な語り口は文章でも健在。表紙を描かれた漫画家・あだち充さんによる対談があります。

星野源 角川文庫『いのちの車窓から』

メガネという「いのちの車窓」越しに見る世界、過去の自分と触れ合う時間

星野源さんが目にしたもの、耳にするもの、曲作りのきっかけなどのエピソード満載なエッセイです。
アニメーター・すしおさんによるエッセイごとに挿入される挿絵も豊富で、視覚でも楽しめます。

さくらももこ 集英社文庫『のほほん絵日記』

ちびまる子ちゃん」「長沢君」「コジコジ」でおなじみ、さくらももこ先生によるエッセイ。

さくらももこ先生の良さがつまった絵日記エッセイ

とにかくさくらももこ節全開。
ちびまる子ちゃんの漫画のモノローグや、
アニメのナレーションのツッコミが好きな人は絶対に刺さるはず。

のほほん絵日記は絵が多めで、特にさくらももこ先生の漫画が好きな人にもおすすめ。
文字も少ないので活字が苦手でも楽しめます。
「ちびまる子ちゃん」では描かれない、リアルな家族の模様が描かれています。

絵本作家が書いたエッセイ(なかがわりえこ・かこさとし・ヨシタケシンスケ)

私は時々、絵本作家の方々が書いたエッセイを読むことがあります。
絵本作家は長年子どもたちに向けて言葉を紡いできた言葉のプロなので、
大人向けに書かれたエッセイでもわかりやすく、すっと心に入ってくる感覚があります。

子どものころ慣れ親しんだ人の話を聞くような気持ちで読んでみてください。

中川李枝子 文春文庫『本・子ども・絵本』

今を生きる子どもたちも、かつて子どもだった人も、包み込んでくれるようなエッセイです。
当ブログでも何度か紹介しています。気になる方はご覧ください。

かこさとし 文春文庫『未来のだるまちゃんへ』

未来のだるまちゃんへ
だるまちゃん、カラスのパン屋さんでおなじみかこさとし先生のエッセイです。
戦前と戦後を生きて、感じたこと、心に決めたこと、子どもたちへの応援が込められています。

おわりに:読みやすい本から徐々にステップアップしてみて

今回は、使われている言葉も日常的なもので、取り扱っている題材も日常生活と、
本の世界になじみがない人でもとっつきやすいエッセイを紹介させていただきました。
本を読むことの楽しさをぜひ味わっていただけたらと思います。

また、小説などに挑戦してみたい方は、児童文学がおすすめです。
挿絵も豊富でイメージが膨らみますし、読む難易度が易しいものが多いので、
いきなり大人向けの小説を読む前に読んでみてはいかがでしょうか。

こちらの記事で、大人も楽しめる岩波少年文庫の児童書を紹介しています。
併せてみていただけたら幸いです。

今回紹介した本一覧

人見知り大学から数年後、自身の成長を語る
名作が生まれた源流をたどる本にまつわるエッセイ
愛犬のこと、執筆のこと…日常生活で小説家が考えていること
「珍獣ハンターイモト」のイモトアヤコさんの、ロケ裏話や日常など
大泉洋さんの軌跡をイラストつきで。書き下ろしも大量
メガネという「いのちの車窓」越しに見る世界、過去の自分と触れ合う時間
さくらももこ先生の良さがつまった絵日記エッセイ
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